ビジネスマンの中国語勉強法

ビジネスマンの中国語勉強法

日本には中国に支店や製造拠点を持っている企業が多くあり、そのような企業で働くビジネスマンは出張や転勤で中国へ行く可能性があります。言葉の通じない国で仕事をするというのは大きな不安がありますが、実際は現地に通訳が在籍している場合が多いため、中国語を流暢に話せないと仕事に支障が出るというケースは少ないです。

しかし複数の日本人に対して通訳スタッフは1名のみという企業が多く、会議や取引先との打ち合わせなど、重要な場面以外のスタッフとのコミュニケーションは通訳を介さずに自力で何とかしなければならないのが実状です。

そうなった場合、社内会話レベルの中国語をマスターするのは避けては通れない道ですし、中国語を活用できることで仕事の効率は格段にアップすると言えます。

仕事で中国に行く可能性が出てきたらまず念頭に置いてほしいのが、「すぐに使える中国語を学ぶ」という事です。具体的に言うと、「聞く力」と「話す力」を身に付けるべきだということです。

コツコツと本を読んで勉強して文法や読み方を学んでも、中国語を聞ける耳になっていなければ、現地のスタッフや取引先との意思疎通は図れません。中国語を「覚える」のではなく、中国語で「会話する」という事を意識した勉強をおこなうのがベストです。

では具体的にどのような勉強法が効果的なのでしょうか。

まず前提として「会話をする」という事を意識した勉強で最も効果的なのはマンツーマンの個人レッスンです。個人レッスンはグループレッスンと違い時間や回数の融通が利きやすいので、中国へ行くまでの短期間で多くのレッスンを受ける事が出来ます。また、自分のレベルに合わせてレッスンを展開してもらえるため、苦手が克服しやすく、短期間でのレベルアップが期待できます。

教室によっては駐在員コースやビジネス会話コースなど、独自のカリキュラムで効率よくビジネス中国語会話の習得を目指せるコースを提案しているところもあるので、まずは通える範囲の教室でそのようなコースを調べてみるのもいいでしょう。

すぐに使える中国語を学ぶ上では、実際に使う場面を想定したレッスンを行う必要があります。ただやみくもに語彙量を増やしていったとしても、実際に仕事で使う機会がなければ、その学習効率は良いとは言えず、短期間で学びたいという意欲に反していると言えるでしょう。

中国語の基本的な会話で使う文法や単語を習得した後は、自分の仕事で必要な中国語は何かと考えながら学習を進めていく必要があります。

日本でのスタッフとの業務上のコミュニケーション内容や、取引先との打ち合わせで必ず自分が説明しなければならない項目などを思い浮かべると、何を学習するべきかわかりやすいと思いますよ。

より早い上達を目指すならば、中国語教室でのレッスンの時だけでなく、毎日中国語に触れておくことをおすすめします。毎日中国語を耳にする事で「聞く力」は格段にアップするので、通勤時に音楽を聴く感覚で耳に入れるだけでもOKです。

レッスン時にスマホで授業内容を録音しておいて、一人で学習する時にそれを聞くのもおすすめです。これは、中国語を聞く事だけでなく、前回の授業内容の復習もできますし、自分の発音の癖や苦手な部分を客観的に聞いて理解する事もできるおすすめの学習方法です。

また、「話す力」を養うためにはレッスン以外のところでも積極的に中国語を話してみるというのが最も上達する方法なのですが、日本に住みながら頻繁に中国語で会話ができる機会というのは、会社に中国人スタッフがいるような環境でない限り難しいと思います。

ひとりで「話す力」を養うなら自宅学習の際にビジネスシーンでよく使うフレーズなどを抜粋し、何度も繰り返し練習するのが良いでしょう。その際は録音をして、正しい発音が出来ているか後で聞き返すのも忘れずに。自宅学習で間違った発音で練習し続けると、それが癖になり中々正しい発音に戻せないという可能性が出てきます。

レッスンでは間違いをすぐに指摘してくれる講師がいますが、指摘してくれる人のいない自宅学習は意外な落とし穴にもなり兼ねません。正しい発音を維持するためにも、自分の発音を確認する作業は怠らないようにしましょう。

ビジネスマンの中国語勉強法では「すぐに使える中国語」をいつまでに習得しなければならないのかという目標設定が鍵になります。

その為に何を学ぶべきなのかを考える事が効率のいい学習へとつながります。中国語を巧みに操るビジネスマンも、中国で勤務したての頃はきっとそうではなかったはずです。間違ったら恥ずかしいと思い、完璧にマスターするまで使わないのではなく、とにかく学んだ内容を実践でどんどん使っていきましょう。諦めずに中国語で会話を続ける事が積み重ねとなり、ビジネスレベルの中国語の習得へと繋がります。